風疹大流行!症状や予防法は?妊婦さんがかかったら危険なの?

上記画像はイメージで、本文とは関係ありません 

今年は関東を中心に風疹が流行しており、国立感染症研究所が1120日に発表した2018年の風疹患者累積報告数はついに2032人と、2000人を超えてしまいました。

この数は20171年間の患者数93人の22倍となる数字で、2013年に大流行した14,344人に次いで2番目に多い患者数です。

地域別にみると、東京都、千葉県、神奈川県と続き、43都道府県での風疹患者数の報告があがっています。

風疹とは一体どのような病気で、どのように感染していくのでしょうか?

この記事では、風疹の症状や予防法の他、成人男性が風疹にかかりやすい理由や胎児に感染して発症する先天性風疹症候群についてご紹介します。

風疹ってどんな病気なの?

 

「風疹(rubella)は、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症である。症状は不顕性感染から、重篤な合併症併発まで幅広く、臨床症状のみで風疹と診断することは困難な疾患である。」(引用:国立感染症研究所 2013年05月07日改訂)

風疹ウイルスに感染することで発症する風疹は、発熱や小さく全身に広がる発疹・耳の裏や首の後ろなどのリンパ節腫脹などの症状が現れます。

流行は春先から初夏にかけて多くみられ、人から人へと飛沫感染することで広がりますが、全身に出た発疹は数日で消失することから「3日はしか」と呼ばれることもあります。

 

麻疹などの感染症も似たような症状が出るため、血液検査や尿検査で診断をします。

子どもの感染症として知られていますが、2013年や今年の風疹患者の大多数は3050代の成人男性が占めており、職場内感染や家族間感染が多いことがわかりました。

働く者にとっては、なかなか「仕事を休んでまで予防接種を受けに行く」というのは勇気のいることかもしれません。

 

しかし、いざ風疹ウイルスに感染してしまうと周囲にも感染を広げてしまったり、重症化して1週間以上も会社を休むことになってしまったりすることも十分考えられます。

土曜診療をしている病院もありますので、一度調べてみると良いですね。

気になる風疹の症状とは?

主な症状として、軽い風邪のような症状に始まり、発熱、発疹、リンパ節の腫れ、眼球結膜の充血がみられる場合もあります。

比較的症状は軽いことが多いのですが、まれに血小板減少性紫斑病(患者30005000人に1人)や急性脳炎(患者40006000人に1人)などの合併症が報告されているため軽視できません。

大人になってからかかってしまうと高熱が出たり、発疹が長引いたり、強い関節痛が出たりと重症化することもあるため注意が必要です。

妊娠初期の妊婦さんが感染すると、胎児にも感染し「先天性風疹症候群」になってしまう可能性が高まりますので、妊娠を希望される場合には夫婦揃って風疹の抗体検査や風疹含有ワクチンの接種を受けておくことをオススメします。

学校での扱いはというと、風疹は第二種学校感染症に定められているため「発疹が消失するまで」は出席することができません。(学校保健安全法施行規則 平成244月改正)

加えて、以下の場合にも出席停止となるので気をつけましょう。

  •   「  ・ 患者のある家に居住する者又はかかっている疑いがある者については、予防処置の施行その他の事情により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで。
  •         ・発生した地域から通学する者については、その発生状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間
  •         ・流行地を旅行した者については、その状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間 」

(学校保健安全法における取り扱い(201351日現在)国立感染症研究所感染症疫学センター)

学校感染症は法律で定められているため、「熱が下がったから」「体調が良いから」といって独自の判断で登校することは認められておらず、自治体によっては治癒証明書の提出を義務付けているところもあります。

治癒証明書を病院で発行すると高くなってしまいますので、所定の用紙が必要であれば事前に学校からもらってきたり、ホームページからダウンロードしたりするなどして対応しましょう。

治癒証明書(学校提出用)の例

https://www.gakkohoken.jp/files/special/images/special7/shomeisho.pdf

(「学校感染症発生時の対応について」 公益財団法人 日本学校保健会より)

風疹は一度かかるとほとんどの人が二度とかかることはないとされています。

厚生労働省のホームページにも、「今まで風しんにかかったことが確実である(検査で風しんの感染が確認された場合)場合は、免疫を持っていると考えられることから、予防接種を受ける必要はありません。」と記載されています。

年代によっては風疹の予防接種を受けていない人も多いので、記録や記憶があいまいな場合には抗体検査で調べてみるとよいでしょう。

風疹の予防法とは?

感染力の強い風疹ウイルスは感染者の咳やくしゃみ、会話によって空気中に飛沫が飛び散り、これを吸い込むことで人から人へと感染を広げていきます。

感染すると23週間の潜伏期間を経て症状が出始めますが、人によっては症状が出ないこともあるため、気がつかないうちに感染を広げてしまうこともあります。

風疹は、麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)を接種することで予防することができる感染症です。

全2回の接種が推奨されていますが、1回目と2回目では4週間以上の間隔をあけなくてはいけません。

内科や小児科で予防接種を受けることができますが、ワクチンの用意に日数を要する場合もあるため、事前に問い合わせをしておくと安心です。

定期予防接種の時期では、1歳児(生後12カ月~24カ月未満)の1期、年長児(就学前1年間)の2期に接種することになっており、この場合には自治体が全額負担してくれるので費用はかかりません。

それ以外の年齢では自費になってしまいますが、費用は医療機関によってもバラつきがあります。

自治体によっては接種費用の助成を行っているところもありますので、お住まいの自治体に問い合わせてみるとよいでしょう。

以前は女子中学生のみの予防接種だった

現在、風疹の予防接種は2回の定期予防接種として幼児期に受けることになっていますが、近年の風疹流行では3050代の男性感染者が目立ちました。

これには日本の予防接種法改正や制度の変更や海外への渡航者の増加が大きく影響しています。

かつて風疹は、子どものうちに感染することで免疫を獲得することが当たり前とされており、196241日以前に生まれた人の場合では男女ともに風疹を含むワクチンの接種はありませんでした。

その後、196242日~197941日生まれまでは中学生の時に女性のみが集団接種で1回、197942日~1987101日生まれまでは男女ともに中学生の時に個別接種で1回行っています。

1987102日~199041日生まれは男女ともに幼児期に個別接種で1回、199042日生まれ以降は男女ともに個別接種で2回と変更になっています。

その間、予防接種法の改正やMRワクチンの定期接種導入に伴い、経過措置や時限措置が

とられているため、個別に追加接種している人もいます。

 

2018/11/14現在 ~1962/4/2生 1962/4/2~1979/4/1生 1979/4/21987/10/1 1987/10/2~1990/4/1生 1990/4/2
567か月 ~39歳7か月 311か月 ~28歳7か月 28歳7か月~
男性 接種なし 接種なし 個別接種1回 個別接種1回 個別接種2回
女性 接種なし 集団接種1回 個別接種1回 個別接種1回 個別接種2回

 

国立感染症研究所 感染症疫学センター「風疹流行に関する緊急情報:20181114日現在」(風疹含有ワクチンの定期予防接種制度と年齢の関係(平成302018)年111日時点)を参考に表を作成。

風疹に対する抗体を持っているかどうかは、血液検査で確認することができます。

検査をした・かかった記憶があるといっても、記憶違いや似た症状の感染症と勘違いしている人も多くいるため、記録や記憶があいまいな場合には抗体の有無を検査し、必要であれば早目にMRワクチンを接種しておきましょう。

風疹含有ワクチンを1回接種した場合でも、追加でMRワクチンを接種しても問題はありません。また、風疹含有ワクチンの1回の接種による抗体の獲得率は約95%、2回接種だと約99%とされています。

抗体の有無を調べる検査は健康保険の適応外になってしまいますが、自治体によっては助成を行っているところも増えてきています。

風疹含有ワクチン接種費用助成の有無と併せてホームページ等を確認してみるとよいでしょう。

妊婦さんが風疹にかかったら大変なのはなぜ?

妊娠期の数え方は受精した日ではなく、最終月経がはじまった日に遡ってカウントしていくため、1週目までは実際には妊娠していない時期になります。

受精後は細胞分裂を繰り返しながら子宮へと移動し、着床する頃にようやく3週目を迎えます。

この頃はまだ「胎嚢」と呼ばれる袋の中に、1mm程度の胎芽(赤ちゃん)があるだけなので検査をしても確認することができません。(心拍音も聞こえません)

そのため、「妊娠したかな?」と気づいた頃にはすでに7~8週目を迎えていることも少なくないのです。

妊娠初期には胎児の心臓が動き始め、脳や神経、内臓、筋肉、目、口などといったたくさんの器官を形成していく大事な時期です。

そんな大切な時期に風疹にかかってしまったら、赤ちゃんには一体どのような影響があるのでしょうか?

妊娠初期に妊婦が風疹にかかってしまうと、胎内感染によって赤ちゃんが先天異常を起こす可能性が高いことが分かっています。

これを「先天性風疹症候群」といい、厚生労働省は先天性風疹症候群の臨床的特徴として下記のように定義しています。

「先天異常の発生は妊娠週齢と明らかに相関し、妊娠12週までの妊娠初期の初感染に最も多くみられ、20週を過ぎるとほとんどなくなる。

 三徴は、白内障、先天性心疾患、難聴であるが、その他先天性緑内障、色素性網膜症、紫斑、脾腫、小頭症、精神発達遅滞、髄膜脳炎、骨のX線透過性所見、生後24時間以内に出現する黄疸などを来しうる。」(厚生労働省 「感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について」)

東北大学病院 産科・周産母子センター講師の西郡秀和氏による「風疹が妊婦に与える影響について」では、

「先天性風疹症候群がおこる頻度は、風疹にかかった妊娠の時期による違いがある」とし、「妊娠周期が早いほど高く、妊娠4~6週では100%、7~12週では80%、13~16週では45から50%、17~20週では6%、20週以降では0%という報告があります。ただし不顕性感染でも、先天性風疹症候群は発生しますので注意が必要です。」と述べています。

妊娠に気づいてからでは風疹含有ワクチンの接種を受けることはできません。

また、ワクチン接種から2ヶ月間は胎児への影響を考慮して妊娠を避ける必要があります。

風疹含有ワクチンであるMRワクチンは2回の接種(1回目と2回目の間隔は4週間以上あけること)が必要になりますので、妊娠を希望している方は余裕を持って風疹抗体検査やワクチンの予防接種を受けることをオススメします。

万が一、ワクチン接種を受ける前に妊娠に気づいた場合には風疹が流行している地域への外出は控え、むやみに人ごみの中に立ち入らないなど、感染しないように注意が必要です。

また、男性や同居家族は、妊婦を含む周りの人へとウイルスを広げてしまう恐れがあるため、風疹ウイルスにかかったことがない・予防接種したか不明の場合には抗体検査やワクチン接種を受けておきましょう。

風疹は感染力が強く、胎児への影響も大きいものですが、ワクチンで予防することが可能な感染症です。早めの接種を検討しましょう。

日本では2020年までに風疹の排除達成を目標にしている

厚生労働省告示第百二十二号「風しんに関する特定感染症予防指針」(平成二十六年三月二十八日)では、「早期に先天性風しん症候群の発生をなくすとともに、平成三十二年度までに風しんの排除を達成することを目標とする。」としています。

風疹の発生や流行を防ぐためには、一人一人が自分の罹患歴や接種歴、抗体検査による抗体の有無を把握し、必要であれば早目にワクチンの接種を行うことが求められます。

先天性風しん症候群を予防するためにも、妊娠を希望する女性やその周囲の人達は正しい情報を共有し、早めに抗体検査や必要に応じたワクチン接種を検討しましょう。

また、海外に渡航する場合には、罹患歴や予防接種歴が明らかでなければ風疹の抗体検査や予防接種を受けてから出発するようにしましょう。

繰り返しになりますが、風疹はワクチンで予防することが可能な感染症です。一人一人がワクチン接種を受けることで風疹を排除することは可能なのです。

<参考元URL>

国立感染症研究所 「風疹流行に関する緊急情報:2018年11月14日現在

https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/rubella/181114/rubella181114.pdf

 

国立感染症研究所 「風疹とは」

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/430-rubella-intro.html

 

厚生労働省 「風しんについて」https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/

 

厚生労働省 「感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について」

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-14-02.html

 

東北大学大学院 医学系研究科・医学部 

東北大学病院 産科・周産母子センター 講師 西郡秀和氏「風疹が妊婦に与える影響について」http://www.med.tohoku.ac.jp/feature/pages/topics_26.html

 

「風しんに関する特定感染症予防指針」(平成二十六年三月二十八日)

(厚生労働省告示第百二十二号)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000041928.pdf

 

 

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